日本人だけが知らない外来の米売場 3
店の主人は吐き捨てるようにいうと、倉庫のなかに入っていってしまいました。
私は、怒らせてしまったと思いましたが、それは思いすごしでした。
「うちも現物をとってあるんだ。
取引先のパキスタン人がこんなものが出回っているよって、俺んところに持ってきてくれたんだ。
タイのコメだよ。証拠品として、とっておいたんだ」
店の主人が倉庫のなかから布袋を持ってきて、道路上に広げて見せてくれました。
「これだ、これ。僕の友達が買ったのと同じだ。重さが11・34キロ。
同じだよ。友達はこれを7000円で買ったんだ」
興奮気味に私がこういうと、相手も警戒心を解いてくれたのか、だんだん、しゃべりはじめました。
「これは、タイのインディカ米さ。密輸品だ。
外国人が経営しているハラールの店や、タイ料理店などに流れているんだよ。
横浜のほうでは、これが堂々と店頭に並んでいるんだそうだ。
パキスタン人の友人が見つけて、買ってきてくれたんだ。
ふつうは店の奥にしまっておいて、注文に応じて売ってるみたいだよ。客はみんな外国人さ。
しかし、ボロ儲けしてるなあ。タイでの元値は、キロ100円もいかないだろう。
それが日本での卸値がキロ400円かな。それで、小売値になると、キロで800円から900円だ。
ボロい商売だね」。